
軽自動車は危険だから乗らないという人がいます。
事故を起こしたときにはボディがめちゃくちゃになってしまうため、致死率が高いという認識があるのです。
確かに、事故による死亡率の統計を見てみても、軽自動車が最も死亡率が高くなっています。これはゆるぎない事実なのですが、だからといって軽自動車が絶対に危ない車であるという認識は極端です。
最近の軽自動車のなかには安全性を高めるための設計を行っているものも多数開発されているのです。
ボディが薄く設計されているワケ

車の構造は、シャーシ(フレーム)が衝撃やショックに耐える基礎になっていて、その上にボディーである鉄板が覆っています。
ボディーがあることで、雨や風、事故や衝撃から中の人を守ってくれます。
「軽自動車はボディーが薄いから、事故をしたときに危ない。」という話を聞いたことがあるのではないかと思います。
軽自動車は大きさが決められているので、その範囲内で室内空間をできる限り大きくしようと設計されています。重くなれば加速性能も落ちるので、ボディーも軽量化をはかります。
中には普通車並に安全性の高い軽自動車もありますが、一般的にはおおむねボディーが薄い=事故の時危ないというイメージになるのでしょう。
最近の軽自動車は安全性も重視されており、かなり改善されてはいますが、普通車に比べると軽いので不安は残ります。
安全性が高い分、車体重量も重くなる(800kg以上)ので、いくらか燃費が犠牲になっている車種もありますが...。ジムニーやパジェロミニなどのSUV系も安全性は高めです。
逆にスズキのアルトラパンや、バモスなどのワンボックス系は少し安全性は劣ります。
まとめますと、やはり軽自動車は普通車に比べて、どうしても安全性を犠牲にしてしまいやすいようです。
「軽自動車=もろい」という認識の誤り

よく「軽自動車は事故になった時に危険だ」と言われますが、軽自動車と一般車では交通事故が起きた時にどのような違いがあるのでしょうか?
メーカーが車を開発すると、販売の前には必ず「独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)」が行っている安全テストを受けることが義務付けられています。
テストは大きく分けて2つあり、「乗員保護性能評価」という車自体の安全性テストと、「歩行者保護性能評価」という車と人間が衝突したときの安全性テストを行います。
このテストの意義は、自動車ユーザーが安全な車選びをしやすい環境を整えることにあり、多くの車が合格している中でこのテストに通らないとなれば、売上に大きく影響する可能性が高くなります。
そのため、新規に開発される自動車のほとんどが、このテストの基準を満たす設計となっています。
このテストには驚くべき点があります。それは、軽自動車も一般車も同じテスト内容であることです。
重量も大きさも一般車とは大きく異なるにも関わらず、近年の軽自動車は一般車にも引けを取らないほどの高得点を得てこのテストに合格しています。
では、なぜ「軽自動車=危険」という認識が広まっているのでしょうか?その答えは、軽自動車の交通事故を考慮した車体設計に隠されています。
交通事故の映像や写真を見るとよくわかるのですが、事故に遭った軽自動車は大きく潰れているものです。ときには原型をほとんどとどめないような潰れ方をすることもあります。これによって「軽自動車はもろい」という認識をされることが多くなっています。
しかし、これは決して軽自動車がもろいわけではなく、わざと潰れることによって事故のショックを吸収し、安全性を高めるように設計されているのです。